水葬模型/道草次郎
今、生をうける。
今、そのかろく、うつくしくもあるアポトーシスの進行形。
れっとう意識から発せられたものでなくして、
垂直な風の歌
お前はそれを、いつ問うだろう。
この倫理のなにかもが
創意、だとでもいうのなら
想うに、
灰も傷んだ星座も吝かでなし。
朝四時半の水葬。
まだねむるせかいにくびられた裸形の空、
そんなもの、
綴じ蓋をすればよいのだ。
おおっ、
地平線をなくした
おとなしい家禽やらの眼底筋。
今、生をとざさず。
今、ただ息吹となって、祠として存るだけの充溢、
その背中よ。
し終えはく気息の嫋々たる事。
嗚呼あんまり
押付けがましい詩ばかりなのが
この期に及び、
却って、可愛い。
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