十/道草次郎
 

十の詩を書いたそして消した
これが十一番めだだけど
十のよりずっとわるいかも
もうここにはなんにもなくってあるのは
指に凭れる少しの重力と諦めだ
あんまりじぶんとばかり遊びすぎて何度自分をぶったっけ
そういうのもなんだかある日ふと
テープカットみたいにするんって終わってしまうのかもね
それならそれでいいしいやむしろ
そうなればもっけの幸いと

十の詩それはつまらない自己愛でそれをそっくり消したのは
その自己愛にもっとケバい自己愛を塗ったってこと
ああ十一番目か
どうにもならないなあ
つくづく全く
どうにも
ならない
なあ
あー

十一か
詩か
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