寒波の訪問者/st
 
かってに窓をたたく
うるさい木枯らしたち

寒波がいったい
僕に
何の用があるのだろう

ヒューヒューと
何かを叫ぶのは

よほどの事が
あるに違いないけど

ただでさえ眠れぬ夜の
騒々しい訪問者よ

今夜は君に
つきあう気はないよ


かわいいあの娘と
別れたあとの

寂しい一人の時間を

楽しかった思い出で
一杯にしたいのさ


慰めようと
してくれるのなら

どうか静かにしておくれ


粉雪の恋人と一緒に
吹雪となって

楽しく遊びまわっている
おまえには

わからないだろうね


僕の泣き声を
隠してくれるというなら


もっと激しく大きな音で

きょうだけは一晩中

吹雪いておくれ




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