無限への疾走/道草次郎
 
「無限への疾走」

俺は疾る どこまでもゆくつもりで どこへでも出没するつもりで

褶曲する大陸の謎めいたダンス! 沈み込んでは浮き上がる海嶺の飽くなき屈伸 粘菌たちの超越 シダ類の大陸への緩やかな侵略 殺し合う海性爬虫類の断末魔 古代海の黒い泡沫 デボン紀 奇妙な姿の六つ目の蟲の揺動 焦げ付いた色の血を吐きちらし威嚇する擬似アンモナイト エディアカラ生物群 それはたわわに実った毒密造酒たちだ

俺の意識は火砕流に裁断され 古代鯨のヒゲでもって縫合される 幾度も彗星の焦熱の憂き目にあい 千切れた古代の美しい破片の一つとなる

俺はどこまでもど
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