フライドチキンの季節/道草次郎
すごく素敵なリアクションの持ち主
フライドチキンは譲りたいからいつも三本買った
どこにも行けない場所なんて無い
それを確かめる為だけに深夜の国道をぶっ飛ばしたね
んでプレヴェールが少し怖くてさ
だってもしプレヴェールが分からなかったら
どうしようって思ったから
屋台で2500円も使ったのは人生初
そのときのぼくは君の10歳を叶えた筈
かなしい記憶が本当かはどうでもよくて
35億分の1の偶然に無邪気に寄り添い
君はだいぶ痩せたらしいけど
10キロ太らせたぼくの手腕を覚えているかな
でもそれもぼくの世界
ぼくの世界にいない君を今は想像できるよ
君が失くした自分を拾っていくこと
それがぼくの安全靴だったかもしれない
そんなぼくに気づかないフリをした
その時の君の妥協
あれはうつくしかったんだろうか
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