たべる/すいせい
 
橋の上をゆく歩幅が
すこしずつずれていく きっと
地軸の歪みが 音符をともなって
溢れだす 太陽の果汁


つるんとした前歯に
舌をふれさせて
たどたどしく呼んだ名と
たゆたいながれこむ音
やがて膨らむ果実が 
すなおな身体となって 器を
みたしていくのだ


炊飯器で焼いたパンじゃなく
誰かの歌った歌でもない
階段の隅にほころんだ影に
やさしく手をのばす
かかとに食い込む石の道の
その勢いで飛び出して
風に乗るために必要なことは
きっとすでに知っている
ほほに
いのちが道しるべとなって
光っていた





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