私の朝/由比良 倖
眼の底で、美しい欠片が散って
誰もここには入ってこない
夕やけに焦がれるのも、今日でおしまい
昨日、すべての朝は終わった
とろとろと私の皮膚を空にくべて
誰もいない土地に巡り来た
――画集とパンの酵母の
甘い匂いを嗅いでいる
私はただ生きている
君は、私の名前を呼ぶけれど
それは私ではない
私はただ、ここに生きている、
眼の底で、虹の火花が揺れる
誰もここには、入ってこない
郵便局員は加速度を届けてくれるけれど
もう、私の海に朝は来ない
昨日、すべての朝は終わった。
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