銀焔絶歌/道草次郎
 
の地を脳裏にやどし
徹底武装の虚無を手に
何かの刃物を隠しつつ
隠したものをみうしない
さがしていてもさがす手もじつは無くて
ならば
さがした痕跡は
悪夢のようなものに相違なく
まるで
魘されただけの朝の空

蠱惑
冬の中には冬の虫
土の海には土の月
蛆を頬張る面影を銀河彼方か遺伝子に
写しながらの綱渡り
ゆうやけこやけを聴きながら
死んだ子猫を抱くように
今日も
窓辺を集めて来ては
うらなっている

おお
どうにかなりたいとか
どうにもならないとかの
色々の
嘘やまことやその真ん中や
とにかく人間というのは渦巻く砂粒のよう
信じるとか信じぬ
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