PTSD/秋也
 

「僕たちと一緒だね」
後ろから朽ちた子供の声がする
私はその場に座り込み
私が作った赤いかき氷を掴み潰し
手を真っ赤にして叫びながら起きた

外で妻と子供がシャボン玉で遊んでいるのが目に入った
怒りがとまらない
落ち着け
ハレルヤ、ハレルヤなはず
お前は呪われていない
もう誰も殺さない殺されたくないだ
ひたすらにベッドサイドの引き出しから銃を取り出すと
走りだしそうになる衝動を抑え
口に咥え躊躇なく引き金を引いた
後悔だらけの中
最後の視界にふわふわ漂っていたシャボン玉が割れる光景が焼き付き
何も見えなくなった
何も何も

私は誰も殺したくないし殺されたくない
しかし、やはり生きたくもなかった
おやすみ、もう夢を見ないですむ

「ママー、パパ起きたけどやっぱり死んじゃった」

戻る   Point(0)