トライポッド・ジャーナル/竜門勇気
 

残念だけどこの物語はここでおしまいです
眠る前に何かを思い出そうとすると
こんなふうに説明を受けて眼をさます
残念だけどね、残念だけどって

あのよ俺んちにガレージがあってさ
下だけコンクリで固めてあって
天井を二本の足で支えてる感じの
ツタがまあ盛ってまるで廃墟みてえさ

何かが終わる
そんな気配が
ずっとずっとしてたよ
昼間に見える星
夜空に見える星
取るに足らない光は
全て消えた

残念だけどこの物語はおわり
どこまで行っても熱量死の景色が続くだけ
最後まで見てるって思ったから
そうするだけ
なんだか歪な構造を触る
手触りが信号を追い越す

最後の流星を見てる
最後だと思うからかな
あんなもんあっちゃいけないもんだと思う
暗闇に一つだけ、光ってるもんなんて


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