越境推薦 <詩の日めくりに寄せて>/津煙保存
 

10年ほど前。ネット上にて田中宏輔さんの『数式の庭。』なる作品を見ました。
詩 と呼ばれるものに対する認識を一変させた作品でした。表現し難い衝撃をたしかに受けました。フォルムの力、形式と呼ばれるものだったのだろうと。庭いっぱいに咲き誇ることばたち。詩文たち。
詩そのものとの、ことばとの出会い。そうした出来事。
出会いには、出会い方というものがあるのだろうと思います。

詩は思い出す
たくさんのひとたちのこころを慰めてきたことを

ごくわずかなひとだけど
詩に慰めを求めるひとたちがいることを

         二〇一四年十三月二十六日 「耳遺体」 より



わたしが日をめくる。日がわたしをめくる。一日一日の日めくり。馬があなたを駆け、あなたが馬を駆ける。ことばがわたしを綴り、わたしがことばを綴る。出会いと別れのように。
神や法とは日々そのもののことではないでしょうか。

 田中宏輔
 詩の日めくりシリーズ

お部屋に 玄関に トイレに
どうでしょう。




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