五惑星物語/道草次郎
ような嘶きにドッキングする
無常なウインクや
骨抜きになった恋人
若輩者の生白いうなじなどが
一般道に溢れ返った
現代のシャンポリオンたちに解読され
一々
電子的に保存されていく
「遠雷の惑星」
雷
突如
雨脚が速まると
レース・カーテンが
際どく風を孕み
小さな悲鳴が
都会の窓から盗まれる
宇宙が聖人の腋の下に隠れ
ウエートレスが
意味を運んでくる
縮退が始まり
風がやみ
ふっと
月
「塩の惑星」
饒舌の舌は
聖書から溢れ出した塩で
動かなくなる
ここは何処
死んだ魚ばかりがいるけれど
神経性の咳が
シリ
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