スジャータのいない惑星の悉達多/
道草次郎
ゆるやかな
「おやすみ」をもたらす為
優しさと弱さとが
乳がゆの双樹のあいだを
ずっと行ったり来たりしていた
蜃気楼のような風は
まだ
滞留していた
鋏を入れられた手紙は
彼岸は
水に流すことにした
清冽な必然
そればかりを汲むことを
未来へ投錨し
この角度なのか
それとも
捨て身の詩こそ際涯かと
ぼんやりと
地軸に立っている
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