ふたごらいたー/即興ゴルコンダ(仮)遅刻/こうだたけみ
 
私の好きな人はピースを吸っていてライターはジッポー中身の入っていない大きなリュック背負って弾むように歩く。いつでもデニムのジャケットに細身のパンツで冬だけフェイクファー付きのコート。どれをとってもカッコつけてるのが見え見えなのに一個もカッコよくないのだったそしてやたらと泣くんだった長いまつ毛に雫が溜まる。ラクダのつくるオアシス。極小。砂漠の夜は寒いらしいよ。すぐにでも死んでしまうね。やっと付き合えた彼女にお揃いの革製ブレスレットを贈ったのになかなかつけてもらえなくて、文芸部の部長のくせに機関誌になんにも書かなくて、いつでも湿ってるから手を握るのが苦手。だけど、親身になって話を聞くから友達はたくさん
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