詩の日めくり 二〇一四年十三月一日─三十一日/田中宏輔
んでいるからであろうか?
語は定義されたとたん、その定義を逸脱しようとする
言葉は自らの進化のために、人間存在を消尽する
輸入食料品店で、蜂蜜の入ったビンを眺める
蜜蜂たちが、花から花の蜜を集めてくる
花の種類によって、集められた蜜の味が異なる
たくさんの巣が、それぞれ、異なる蜜で満たされていく
はてさて
へべれ
けべれ
てべれ
ふびれ
きべれ
うぴけ
ぴぺべ
れぴぴ
れずぴ
ぴぴず
ぴぴぴ
ぴぴぴぴぴ
ぼくの脳髄は直線の金魚である
直線の金魚がぼくの自我である
自我と脳髄は違うと直線の金魚がパクパク
神経質な鼻がクンクン
神経質な人特有の山河
酸
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