詩の日めくり 二〇一四年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 
りにとまってるタクシーのところに近づくと
勝ちゃんが
「もう少しいっしょにいたいんや。
 歩こ。」
と言うので
ぼくもうれしくなって
もちろん
つぎの日
2人とも仕事があったのだけれど
真夜中の2時ごろ
勝ちゃんと
4条通りを東から西へ
木屋町通りから
大宮通りか中新道通りまで
ふたりで
手をつなぎながら歩いた記憶が
ぼくには宝物。
大宮の交差点で
手をつないでるぼくらに
不良っぽい2人組の青年から
「このへんに何々家ってないですか?」
とたずねられた。
不良の2人はいい笑顔やった。
何々がなにか、忘れちゃっ
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