詩の日めくり 二〇一四年十三月一日─三十一日/田中宏輔
なにを読もうかな。
二〇一四年十三月二十三日 「きなこ」
きょう
日知庵で飲んでいると
作家の先生と、奥さまがいらっしゃって
それでいっしょに飲むことになって
いっしょに飲んでいたのだけれど
その先生の言葉で
いちばん印象的だったのは
「過去のことを書いていても
それは単なる思い出ではなくってね。
いまのことにつながるものなんですよ。」
というものだった。
ぼくがすかさず
「いまのことにつながることというよりも
いま、そのものですね。
作家に過去などないでしょう。
詩人にも過去などありませんから。
あるい
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