ラピスラズリのスケッチ、他/道草次郎
「12月28日のsketch」
トンネルを抜けるとズレた周波数があった。ラジオ深夜便、ラピスラズリの火球は未明の空を横切った。
「ザザ…ザザザ、とある三歳の女の子がお母さんに結婚してとせがんだそうなんです。そして、結婚して大人になったら一緒に猫になろう!だって…」
家に着くとキッチンに着水。切った大根のあたまをガラス皿に漬けておいたのが、芽吹いていた。いつの間にやら、棟上げされた蘖の小屋。そこでは、陽は愉快な小人であり、小さきことは、善きことのよう。
思い出す、午前中の流れ星。
絵本に身を隠しオオカミになって話しかけたらオナラで返事をされたこと。逆さのマグをなおして口にあ
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