彼我の歌/道草次郎
 
わたしはスリランカです
南伝の経の屋根で眠る苔です

わたしは牛乳屋です
あなたが銀河鉄道の天鵞絨だとしたら

わたしは感じよくありたい
そういう色相にとどまる草です

時にその気分に蒸留が必要な
ラピスラズリで出来た壊れた天球です

あなたがまわすコックのように
弁で構わないのがそうですわたしです

アンコール遺跡のように
夜が立ち込めたら
わたしは
わたしの希望をずた袋に詰めて
虹の
あばら骨を渡って行くでしょう


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