distance/津煙保存
 


あの銀杏の並木
沈黙のたしかさ

煙草に火を着ける
マフラーを解き
息をする

散らばる陽色の実
遠慮を知らない
街に集散する鳥たち
風は午後を吹き抜け

永遠、とはいえ
僕は朽ちていく
彼らもまた

空の理と
人の口
鉛筆で往復する

絶えない応酬と
一日の報酬
舌の裏の渇き

飲み干す
ドリップされた滴
対価としての

楕円の感情を満たす
この体の
息を新しくする

等号
そして雨
受信していく
マナーモードの刹那





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