泣いてしまっては話にならない/
 
先程から
君のしていることと言えば
修復しようと努めているのは解るが

例えるなら
火傷の水疱の中の組織液のようなもので
傷を負っているこちらとしては
痒くて仕様がないんだよ

怖々としながら
その箇所を破らないように
思い切り掻き毟ることもできずに

ただただ僕はその傷の痛みを感じ
そして燻ったまま
君をこれ以上
追い詰めてしまうような言葉も言えず終いで
不快な痒みを伴って
元通りにしようと働きかける君によって
修復されてしまうのを
見届けるしかないのだ
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