人間アレルギー(短編小説バージョン)/月夜乃海花
 
初めに異変に気づいたのは山手線のS駅で人が乗り降りする時だった。私は電車の入り口付近の端で動かないようにしているのだが、たまに邪魔だと睨みつけてくる輩が居る。ある時から、その視線を感じると肌に痒みを感じるようになった。いつの日からか腕は掻きむしった跡で荒れてしまい、長袖を着るようになった。皮膚科に行ったがストレスによる症状などと曖昧な答えを出されて、塗り薬が処方された。その薬を塗っても治らなかった。
次は街を歩いてる時のことだった。東京では数え切れないほどの人間の話し声というノイズが走っていて、常にイヤホンをつけてごましていたつもりだった。目の前を女子高生の群れが通り過ぎて行った。動く口と聞きた
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