常にこえたい/道草次郎
 
いうか、彼らこそぼくなのだと。感動などしない。感動するにはあまりにそれはたんたんとしている。ただ、ぼくは、だから分業制というものに批判的な意識をむけるし、すこしでも、誰かにとっての一部になろうとすることだけを目指したいとねがう。

ぼくが、ほんとうの詩人になりたいならば、Hさんに応えられるような人間になることが何よりも大切なのだと思う。それだけである。

どんなに人よりできなくとも、怒られようとも、置いてけぼりをくらおうとも、とにかくぼくはぼくの手の動く限り、打ちのめされることを越え、世界へみずからを接合していくだろう。それこそが書くことと同義だし、生きることと同義だから。

知能指数の低さは、じつはぼくにたいへん大事なことを示唆してくれているのである。

ぼくは、いまのぼくを常にこえていきたい。
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