紙屑/宣井龍人
 
風に振り回され
壁にぶち当たり
人に踏まれ続け
雨にびしょ濡れ

僕は誰にも読まれない詩

優しいおばさんが
ぐちゃぐちゃの僕を拾うと
めんどくさそうに広げ
外れた鼻眼鏡で
じーと見つめてくれた

間もなく丸められて
ゴミ箱に棄てられちゃったけど
最後の最後に見つめてくれた
優しいおばさん有難う
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