腕を伸ばした、指の先の距離で(ゴル投稿修正版)/高橋良幸
腕の指先をピンと伸ばしたところ
そこが理想の境界線だ
風を切って揺れる
木綿や絹やサテンの先に
弧を描くいろいろな肌色の
数々の私たちが
最密に充填されていって
ぐるぐるしたそのまるの中で
◯あっ◯
とさけぶ
おおげさにならないように
確かめあう
おしくらまんじゅうのようなひびき
ぶつかって
ぶつかって、
ぶつかってしまう
どこからか歓声がきこえてきて
願望のようで
願望のような
願望のように
すれ違う
商店街の
階段の先で
踏切待ちの列で
タラップの中空で
テラス席のはずれでも
満員電車に揺られながらも
私たちは想像上で腕をぐるぐる回しているくせに
どこからかきこえてきた歓声に
ぶつかってしまいたくてしょうがない
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