逆鱗と無縫/道草次郎
 
摘(つ)んできて悔いてももとの土の空

戸惑いがほどよくとけて音と雨

分からぬといったら分かる火の火の粉

たゆたって鯨の背中(せな)に厭離穢土

大の字の伽藍のような太鼓持ち

雲流れじぶんもながれ木の葉舞う

十七字預けて天に天は無く

管楽を匣(はこ)にしむけてタクト振る

陸族に羊歯項垂(うなだ)れて暁新世

笑ったら八重歯とともに山降りる

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