エデン/道草次郎
すごいいい詩ばかり書いちゃって
なんか立派な賞をもらって
インタヴューまでされる夢をみてしまった
インタヴューアーは「あなたの詩を三つのワードで表すと?」とマイクをむける
ぼくはこう答えた
「宇宙的風、焦燥、防腐処理された自己愛」
インタヴューアーはもう少し短くと言った
では、とぼく
「存在、性質、延命」
インタヴューアーはさっさとどこかへ消えて
場面暗転
一気に舞台は近所の公園になる
シーソーに乗っていた
シーソーの反対側には初恋の人
その人は歳をとっていた
「帰って子供と旦那のご飯作らなきゃ…あなた、誰?」
ぼくはなんにも言えずにいると
遠くで母の声がした
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