銀河を買う/道草次郎
一つ銀河を買った
安かった
お値打ちだよと町の骨董屋が言った
どのへんのですかと尋ねたら
古いのだからずっと遠くのらしいねと答えた
持って帰って
包みをほどいて中を覗くと
赤い惑星に
隕石が降っていた
なんだか無性に喉が渇き
コーラを一気飲みする
もう一度銀河に目をやると
今度は黄色い惑星に
生命が誕生していた
奇妙な姿をしていたがすぐに滅んでしまった
少し昼寝をして起きてくると
いつの間にか
銀河は冷たくなっていた
あの親父
またバッタもんを…
そう独りごちながら
銀河はあっさりゴミ箱へ
最後
青い惑星から
糸のようにか細い声が
聴こえたような
はて
聴こえなかったような
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