こがらしと温もり/
道草次郎
凩(こがらし)や袖でミラーを拭きし恋
寒風のとえにはたえや砂の色
空風(からかぜ)の上州廻りに馬具にほふ
くらき夜の背わたごそりと偸(ぬす)まれり
夕凍(ゆうし)みの剥がれし孤獨夙(つと)落ちぬ
いたる火を吹きけし来たり隙間風
しぐるるや橋をいなせば長堤(ながつつみ)
冬の空ふゆの海すら空の下
有り難き電気毛布や滝の壷
湯冷めして思ひつくまゝ星めぐり
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