神聖なる合コンの話 (序 その一)/道草次郎
づいているに違いないが、人間の心においては話はそう単純ではない。人間の心というのはもっとずうっとしなやか且ついい加減なものではないだろうか。どうもこういう事をうまく伝えようとすると、すぐさまお説教くさくなるか、生半可な哲学の話めいてくるから困ってしまう。
運命もない、自由意志もない。はい、おしまい。それが解答、これが人生。そう言ってみてもたいして変わらないだろう。
だが、これはどうにも業なのかぼくなどは書かずにはいらない。性であるのか何なのか。こうした気持ちもまたたくさんの人が持っていると信じてはいるのだが、既にしてそこには我田引水のきらいが兆しているかも知れず、一抹の不安は常にある。
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