クリスマスの幸福/st
晩秋の北国の
大空を舞台に
しぐれ、
みぞれ、
濡れ雪と
三変化する水の舞い
秋雪を
飽きもせず
眺めてる
きみのうしろ姿が
愛おしい
コーヒー淹れようか?
ええ 寒いから
濃いエスプレッソがいいわ
ついでにブランデーもね
OK! すぐに持ってくるよ
ホント 贅沢なんだから-----
とぼやきながら
ぼくも窓の外を見る
遠い北の果て
青空に
雲のベールを
かけながら
寒さを積んだ
特急列車が
最北の山頂を
出発し
真っ白に
染めながら
南の山頂めざして
突き進む
カレンダーを埋めつくす
曇り空のむこうに
青空はさびしく
息をつき
少し遅れの
第二便が
山の中腹を
秋の終わりの
最終便が
南の
山の麓を
真っ白に
染め終える頃
すっぽりと
真っ白に
覆われた
クリスマスの幸福が待っている
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