暖房還俗/道草次郎
だって
そういう海の覇者です
みんながみんな
えらくてそうでなくて
どこに
ほんとうのきざはしがありましょう
月へ月の桃をとるためのです
さようならと
いうことの内べりに
はじめましての溝は彫られていますから
なやまず倦まず
秋は春
春も秋
寝たければねるだけなのです
人事は
風のとぐろの思う儘
とかく暖房の
快さのみが染み入ります
波紋でしか
言えないことをこうして云うことにも
波紋のやわらの皺は
そぞろ寄り
かつ
砕けます
まざまざと
それが見えます
なににか
目に有らざるもの
に
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