彗星と空想の際/カマキリ
 
たよりなく点滅する街灯
いつかここはけものすら通らない
道だったものになって
雑に置かれた石のひとつひとつ
大いなる妄想を抱かれるのだろう
そのときぼくは
薄く伸ばしたセンチメンタルに
足を取られてしまったり
飽きるまでひっぱってみたりを
きっとするだろうから
通り過ぎた橋の欄干にぶらさがって
かすれたなまえを思い出して
風邪をひかない程度まで風にあたっている
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