雷を髪に飾ることはできる/ふるる
って
役に立つのかどうかは
きっと生きているうちはわからない
でもするんだ
誰ががやらないとね
マフラーについた雪の結晶が
すぐに消えてしまう
思い出はそんなふうだから
何度も思い出して作り直さないと
でもどこかには残っているから
引っ張られるのだと思う
触れていい許可を得るために告白するんだろうけれど
一番は泣いているときに慰めたい
その役目を担いたい
何故そんなふうに思うんだろう
自分ではない人なのに
ただ知っている人で
笑いかけてくれるというだけなのに
大学も就職も離れた場所で
久しぶり過ぎるくらい久しぶり
変わっていなかったのは
嬉しいし不思議
相変わらずお腹は弱いのかな
約束の雷
と言ってあの人はわたしの髪に触れました。
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