オオイチョウの樹/
道草次郎
日々色付く里
地の守り神である
オオイチョウの頭が染まる
昨日はおとといよりも
今日は昨日よりも
確実に変化してきている葉の色
樹の寿命は長い
何世代もの人間をみおろし
年々に
その葉を黄金色に染めてきた
人の一生でははかれない眼差しを
樹はもっている
それでいて
ハラハラと道路におちる一枚は
まるでこどものように軽い
どんなものでも
よく見ていれば道を教えてくれている
秋のベンチにたたずむような
控えめな仕草で
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