伐採/山人
 
りとした形状は、人の意思によって樹木の生長特性を一部制御した結果の姿なのである。苗木で植える杉は三十センチから五十センチほどであろうか。それを地拵えした自然の地形に、唐鍬で土を掘り込み、植え付けるのであるが、その間隔はほぼ二メートル置きである。この、密に植えることが、この後の杉の成長をコントロールするために必要になってくる。どうせ最後には一〇メートル置きくらいの間隔になる大木の杉であるから、最初から大きな間隔で植え付ければ、途中で切り捨て間伐をする必要もなく合理的だろうとする考えが浮かんでくる。しかし、大きな間隔で最初から植え付けしてしまうと、当然太陽光線はどんどん入り、小さい幼樹の杉は上方向より
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