雨と風の物語/につき
風が吹いた
風の音
どうして聞こえるのだろう
声がした
雨
誰かが泣いているのか
物語は生み出され
事象は表され
そして言葉は過ぎるもの
どうして物語はこんなにも長くなってしまったか
事象たちはこれほどまでにばらばらにされ
そして言葉は隙間だらけに
夜の空を覆う冷たい雨雲
嵐が近づいている
どうして胸が騒ぐのだろう
まるで見知らぬ空港から
喘ぐようにプロペラ機が飛び立とうとしている
雨風はますます強く
旅客たちは皆固い瞳をしている
窓の外は真っ暗だ
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