詩は料理に似ているか/につき
 
詩は料理に似ているか
自分の食べたい好みでもあり
食べさせたい人へと味を寄せていく
味という共感を持って
食欲という本能に寄り添うこと
それは
詩情という共感を持って
在りようという抗えなさへ
寄り添うことに確かに似ていた

我らは食事を求める
生きるためだけでなく
そこには胃袋をもって
希薄になりそうな
肉体へと回帰する喜びがある
それは
我らが情感を求めて
生きるためにだけでなく
言葉をもって
ともすれば失いそうな
潤いを取り戻す実感に似ている

料理とは風土の香り
食事とは肉体で生きること
海の大地の命の残響を聞くこと
そして
詩とは霧に浮
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