未詩?/道草次郎
 
挫けたような空が頭の上にはあって
東雲は炯々と鈍色に耀きつつまったりと流れている

パーカーのフードを頭まで被った男が時間を持て余すように行ったり来たりそれはまるで中年太りの死神

人生が鎖なら今日はどの辺の結節点かシュレーディンガーその生物学的イメージ、シュレーディンガーその猫の明滅する霊媒

DNA鎖を解いて行けばわかること妖精や八百万の神やらが溢れ出すのも時間の問題
そんなものらがそこいらを駆けずり回っていても
現今誰も驚きはしない
この生きてあるということに比べたら全く簡素極まりないことだから

どういう風の吹き回し
右手が左手を勝手にもって少し震えている


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