言葉の羅列/無限上昇のカノン
言葉はすぐに空に溶け
誰の耳にも届かない
好きな詩人の真似をする
紡いだ言葉はボロボロで
自分の言葉に返ってくる
私は私以外の何ものにもなれないのだと
とっくの昔に知っていたのに
言葉はいつも風になり
あなたの耳に届かない
恋したあなたはもういない
後悔だけが渦巻いて
自分の首を絞めるのだ
私は私以外の何ものでもなく
過去には戻れないと分かっているのに
言葉はいつでも武器になり
言葉はいつも楯になる
好きな詩人をいくら真似ても
自分の言葉を偽れない
私は私のままでいい
私は私以外の人生を歩むことなどできないと
誰もが知っていることだ
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