おもい・したい/あらい
 
去と未来を繋ぎ、
今を、ピンと弾いてみせました

例えば湖には魚一ひき
流れ着いてはいないように。
ただくらがり、
空を漂う雲ばかりは
さかさまにうつり漣と泣いて
今では、凪いでおります

透明な糸に操られた私は
そこを ひとつかみにすると、
鵜呑みにしたばかりの針と糸
たわみ、ゆるめて

なぜか、うっとりと、えみました

口を縫われた、
おしゃべりな、なみせんは
一括りに「よる」
閉じられた時に「はる」

ほんの少しの時代を遡るため
私たちは常に想い求めている
自分を中心に回しては
記憶の糸をほぐすよう
こがれいる ゆられゆく

ことに流れ
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