あゆみ/草野大悟2
 
じゅっくりと
溶けていく氷山の
あゆみは
まるで
ひとの
含羞のようで     
ヴァギナのようで
ペニスのようで。 

こんなときには
コルトレーン

アキモトチエミ

獣姦だ。

溶けていく氷
喘ぐチエミ
コルトレーン        
ゆっくりと滲んで描くんだ
ぎすぎすとした緑が
キャンバスにひろがれば 
不気味な瞳も消えていくかもしれない。

溶けるまでまてるのですか
この色が溶けるまで、待てるのですか。 
こぼれ落ちる色たちを
あなたはなだめることができますか。
  
ヒリヒリとする
夏のおわりの
ヌード  
無造形の
たぶん
無造形の緑色が
できている、
はずだ。    
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