季節の境。/あらい
 
形代を抱え震えるばかり。

うつろうつしよ
私の瞬きひとつで

消されてしまう 夢で在っても うたかたであえても、
今叩きつける岩礁の滂沱の嵐と意志の拳を握り締めて、耐えうることは、
幾ばくも無い命に誓っても、天に祈りは届かないでしょう。

中程まで現れた心得など何の役にも立たずに、崩れちまった
元から無かったかのように ならないものが口惜しく苦さだけを。
なにかにつけたく 荒れも泣く 天高く快晴でも おそろしいのは
自由に囚われた ものの オチもない 場違いな 秋色の化粧 場違いな化けの皮。

戻る   Point(0)