季節の境。/あらい
春 眠 不 覚 暁
処 処 聞 啼 鳥
夜 来 風 雨 声
花 落 知 多 少
暗転好天、雅にじたばたと駄々っ子な、これは、なさけ 未練でございます。
もう死んでもいいと思いましたので。
小さく折りたたんで必死に籠めたものをらくに?み込みました。
しかしいつまでたってもメが這えてこないのです。
寂れたお堂から持ち帰った赤子は幽かに育っているようでございました。
心内をとくとくまなくまさぐり、血潮をも凍らせてしまったことは事実であるというに。
未だあたたかい、空きの昼下りに、とうとう、私は眠りとさとりますゆえ。
時が来たら興してくださいませ。私の底に野花が咲きますようにとそ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)