私の世界/無限上昇のカノン
 
世界はこんなにも美しいのかと感じたのは
もう、はるかに遠い昔で
今の私には邪気に満ちた禍々しいものでしかない
天使たちは変わらず無垢な笑顔を向けるけど
その笑顔の裏に隠された残酷な真実を知っている
ああ、何故、心臓は鼓動を打つのを止めないのか

世界を清らかだと感じられなくても
何の不都合もないけれど
空気ですら重たく圧し掛かってくる
明るい気分には遠く及ばず
話す言葉も棒読みの台詞
口数も少なく物思いにふける

誰もそんな私を不思議に思わないのが現実で
何のために生きているのか悩まずにはいられない
世界は薄汚れて私の首を絞める
過ちを犯した
過ちを犯した
すべてはその報いに過ぎなくて
世界を恨むのは筋違い

裁きを受けたあかつきには
世界は再び清らかに美しく見えるに違いない
邪気に満ちた世界は私の心
禍々しいのも私の心
見透かしたような天使の微笑み
何故、心臓は鼓動を打つのを止めないのか

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