髭をそること/道草次郎
 
どうしようもなくなったら
髭をそるだろう
髭をそることを するだろう
油っぽいバサバサの白髪まじりの髪や
そろそろ着替えたい肌着をさしおき
やはり髭をそるだろう と思う
詩は
清潔ないめーじの尿瓶ではない
不潔な感情の聖杯ではない
詩は
ただ
髭をそるだけの
窮屈な洗面器
黒く点在する破片のマーブリングが
やがて何かの模様をなす
そうした哀しみなのか
なんなのか
自分には
わからない、のだが
まだ
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