部屋/
道草次郎
この部屋は絵本
無心に思えば郵便受けにもなる
出来ることから迎え入れる
また訪ねていく
絵本に遺跡が座っている
まるで子供の寝息のように
折り合いをさがして誰もが皆旅人となる
愛せていないのではと隠したくなる時に限り
見守っていてくれる地蔵たち
朱色の前掛け哀しみに染まりつくして
駄々っ子を宥めるようにこの部屋は
しばらくそっとしておこう
しずかに
しずかに
乱暴なものが分解されて行く音だけを
息を殺し聴きながら
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