fragment/道草次郎
 
治療に使わない
鉗子の製造工程に釘を撒こう
役たたずのむら雲やら
沈降して
朝めしのお茶漬け
添え物に焼きピーマン
醤油、とって


「メモ?」

人生だよ
それも
言葉を清冽させろ
いけない
詩を書くと死ぬぞ
白髪の生え揃うまで
何通の
訴状を燃やすつもりだ


「メモ?」

ふりかけのりたま
のりたまふりかえ
60しゅうねん
まるまるしたにわとりがクラッカーを
パンっ
してる
散る紙吹雪たち
3びきのひよこらにそれが
ちりちりと
降りかかる朝


「メモ?」

秋の冷気がシーソーだ
何だって?
意味の昏倒の舌平目だ
舌禍に
台風12号接近中
雨合羽の中で
数知れぬ
聖誕祭の
日々


「メモ?」

そうか
この場には
登場が要るんだ
あと
澄んだ舞台と抑制と羞じらいも
演者とは
稽古か
詩の裏側には
形容詞
のない花園がある
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