キャンディ、シガー/竜門勇気
 

-バカバカしいよ、こんなことは!
誰かが叫ぶ声が聞こえた
喧騒が不意に巻き上がる
ささくれだった木のドアを叩き開けて
年寄りがその輪の中に押し入る
叫び声が聞こえた
あたりは静かになった
世界の始まりみたいに

-わたしはただ、あなたが
人混みの中をすり抜けて声が聞こえる
僕はここを通り過ぎることにした
世界の始まりには悲しいことが多すぎる
耳の後ろ側で事件が終わっていく
大麻が誰かを救おうとして失敗したらしい
叫び声が増える
言葉よりもたくさん声が聞こえる

町並みの中に見慣れない物が無限に増えたとして
あとどれくらい新しいやり方を試せる?
僕がやれる
[次のページ]
戻る   Point(0)