ぼ石/
新染因循
墓石のあわいを這いまわった風に
肉体という温度をおもいだす
血という言葉はなまじろい蛇のように
とぐろを巻いて しめつけようとしている
線香の煙を青空の雲とうかべれば
どこへと行く そこをなんというのだ
砂利と汚れを酒で濯ぎ
柄杓を萎びた花束に傾けて
あなたの名を 昏く輝かせてから
あなたに触れた手と
あなたが触れられなかった手を
結ぼうとする
わたしという朱いいと
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